剣道の「八段」は、段位の中で最も高い位です。
「合格率は本当に1%以下?」
「全国に何人いる?」
「最短で何歳から受けられて、最年少は?」
「女性の八段はいる?」
と、気になって調べている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、全日本剣道連盟(以下「全剣連」)が公表している審査結果や規則をもとに、八段の疑問に出典つきで答えます。
また、公式の合格者一覧から武道道場ナビ編集部が集計した、合格者の年齢のデータもご紹介します。
「剣道は何段からすごいのか」や段位・称号の一覧は「剣道は何段からすごい?」の記事に、審査の内容や合格のポイントは昇段審査の記事にまとめています。
剣道八段とは?段位の最高位と、九段・十段の現在
全剣連の「称号・段位審査規則」では、剣道の段位は初段から八段までと定められています。
八段は、その中で最も高い段位です。
かつては九段・十段もありましたが、2000年(平成12年)4月の規則改正以降、審査は行われていません。
段位とは別に「錬士」「教士」「範士」という称号があり、称号と段位を通じた最高位は範士です。

剣道八段の合格率は?年度別の推移(2012〜2026年度)
全剣連は、八段審査の受審者数(審査を受けた人の数)・合格者数・合格率を審査会ごとに公表しています。
下の図と表は、年度ごとの合計です。

| 年度 | 受審者数(延べ) | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2012 | 3,515人 | 22人 | 0.6% |
| 2013 | 4,675人 | 42人 | 0.9% |
| 2014 | 3,413人 | 22人 | 0.6% |
| 2015 | 3,852人 | 24人 | 0.6% |
| 2016 | 3,595人 | 30人 | 0.8% |
| 2017 | 3,747人 | 25人 | 0.7% |
| 2018 | 3,771人 | 24人 | 0.6% |
| 2019 | 3,695人 | 19人 | 0.5% |
| 2020 | 1,561人 | 10人 | 0.6% |
| 2021 | 2,098人 | 15人 | 0.7% |
| 2022 | 4,012人 | 24人 | 0.6% |
| 2023 | 4,711人 | 30人 | 0.6% |
| 2024 | 4,934人 | 52人 | 1.1% |
| 2025 | 5,502人 | 45人 | 0.8% |
| 2026(8月まで) | 3,494人 | 34人 | 1.0% |
出典:全剣連「剣道八段審査会 結果」。2020年度・2021年度は受審者数が少なくなっています。
合格率は、ほとんどの年度で0.5〜1%前後
2012〜2023年度の合格率は、0.5〜0.9%でした。
2024年度は1.1%で、この表では最も高く、2025年度は0.8%、2026年度(8月まで)は1.0%です。
直近10年間(2016〜2025年度)の合計は、受審者37,626人に対して合格者274人で、約0.73%です(編集部の計算)。
合格率は「1人が受かる確率」ではない
表の「受審者数」は延べ人数で、同じ人が年に何度か受審すれば、その回数ぶん数えられています。
たとえば2025年度の0.8%は、「延べ5,502人の受審に対して、合格者が45人だった」という割合です。
1人の受審者が合格する確率を示す数字ではないことに、ご注意ください。
剣道八段は何人いる?女性の八段はいるのか
全国の八段の人数
全剣連は、2026年3月11日の全日本選抜剣道八段優勝大会の紹介記事で、「約850名の八段受有者」(八段を取得している人)と記しています。
前年(2025年3月)の紹介記事では「約800名」でした。
報道では、東京新聞が2025年3月17日の記事で、全剣連によると八段の有段者は820人で、全員が男性だと伝えています。
正確な人数は公表資料から確認できないため、この記事では全剣連の最新の公表「約850名(2026年3月時点)」を概数として使います。
なお、2012年5月〜2026年8月の合格者の合計は418人ですが、現在の八段の人数ではありません。
女性の八段
同じ東京新聞の記事は、2024年5月に女性で2人目となる八段の第一次審査の合格者が出たことも伝えています。
全剣連の2025年度事業報告では、2025年度の八段審査は受審者5,502人のうち女性が112人、合格者45人のうち女性は0人でした。
2026年度の男女別の人数は公表資料では確認できず、2026年4月以降に女性の八段が誕生したかどうかは分かりません。
剣道八段は何歳から受けられる?最短の受審年齢
八段の受審資格は、規則第17条に「七段受有後10年以上修業し、かつ、満46歳以上の者」と定められています。
「受有後」は「取得してから」の意味です。
規則では、前の段位を取得してから受審するまでに必要な年数を「修業年限」と呼びます。
年齢は審査日の当日で判定され、運用上、10年は審査月の月末で数えます。
たとえば2026年5月の京都では、2016年5月31日までに七段を取得していることが条件でした。
最短の受審年齢は、46歳です。
初段を13歳で取り、規則第17条第1項の修業年限どおりに進んだ場合、七段に届くのは34歳です。
そこから10年を足すと44歳ですが、八段には「満46歳以上」という年齢の条件があるため、受審できるのは46歳からです。
初段〜五段には、特に優秀と認められた人の修業年限を短縮する例外(当分の間、1回限り)もありますが、八段の受審資格の下限は満46歳です。

二段から八段までの通常の修業年限を足すと、合計31年です。
ただし、これは規則上の計算で、13歳までに一級を取り、各段に最初の機会で合格することが前提です。
2025年・2026年の規則改正|65歳以上は修業年限が短縮
2025年6月1日の施行で、六段・七段・八段の受審を希望する65歳以上の人は、修業年限が短縮されました。
八段は、七段を取得してから10年ではなく、5年で受審できます。
2026年4月1日の施行で、この特例は三段から八段までに広がっています。
| 受審する段位 | 通常の修業年限 | 65歳以上の特例 |
|---|---|---|
| 三段 | 二段取得後2年 | 二段取得後1年 |
| 四段 | 三段取得後3年 | 三段取得後2年 |
| 五段 | 四段取得後4年 | 四段取得後2年 |
| 六段 | 五段取得後5年 | 五段取得後2年 |
| 七段 | 六段取得後6年 | 六段取得後3年 |
| 八段 | 七段取得後10年 | 七段取得後5年 |
出典:全剣連「称号・段位審査規則」(2026年4月施行版)。
特例で受審するには、所属する都道府県剣連の会長(規則では「地方代表団体の長」)が特段の事由があると認めることが必要です。
全剣連の2025年度事業報告には、この特例で受審した人数が六段280名・七段587名・八段170名、合格者が六段105名・七段152名と記されています。
八段の合格者数の記載はなく、特例が合格率に与える影響は公表資料からは読み取れません。
剣道八段の合格者は何歳?最年少・最高齢を集計
全剣連は、審査会ごとに合格者の一覧(氏名・年齢など)を公表しています。
武道道場ナビ編集部は、このうち2017年度から2026年8月までの分(279人)を集計しました。
一覧には、日本剣道形(後述)だけを受け直した人が含まれることがあり、公表されている合格者数(278人)と1人ずれています。
最年少は46歳、最高齢は81歳、中央値(年齢順に並べたときの真ん中の値)は54歳でした。

年代別では、50代が124人(44%)で最も多く、60代が68人(24%)、46〜49歳が64人(23%)、70歳以上が23人(8%)です。
46〜49歳と50代を合わせると188人で、全体の約3分の2を占めます。
2022年度以降の合格者だけで見ると、中央値は57歳です。
受審者の年代別の人数は公表資料では確認できないため、年代ごとの合格しやすさは分かりません。
最年少は何歳?
受審資格の下限が46歳なので、最年少の合格は46歳です。
46歳で合格した人は、2017年度から2026年8月までに9人います。
そのため、「最年少記録の保持者」を1人に決めることはできません。
報道では、2014年3月の岡山の審査について、「最年少の46歳で合格」と紹介した例があります(タウンニュース瀬谷区版・2014年6月19日)。
最高齢は何歳?
2017年度以降の公式の合格者一覧で確認できる最高齢は、2024年8月11日の愛知で合格した81歳です。
中日新聞は2024年10月12日の記事で、81歳9カ月での合格を「全国最高齢合格者の記録を塗り替えた」と伝えています。
「全国最高齢」は報道の表現で、全剣連の公表資料では確認していません。
八段審査の日程・会場と、合否の決まり方
年3回の日程と会場
2022年度から、八段審査は年3回行われています。
- 5月:京都(京都市体育館)
- 8月:愛知(名古屋市枇杷島スポーツセンター)
- 11月:東京(日本武道館)
各回は2日間で、受審者はどちらか1日を選びます。
2021年度までは、原則として5月の京都と11月の東京の年2回でした。
最新の実施回は、2026年8月8日・9日の愛知です。
次の審査は、2026年11月25日・26日の東京(日本武道館)で、全剣連が要項を公表しています(2026年10月時点で未実施)。
受審の申込は所属の都道府県剣連を通して行い、個人が直接申し込むことはできません(香川県剣連が掲載する要項)。
合否の決まり方
八段の審査は、第一次実技、第二次実技、日本剣道形(形)の順に進み、前の段階に合格した人だけが次に進めます。
形は、実技とは別に行う審査科目で、太刀の形7本と小太刀の形3本を行います。

合否は、審査員の合意で決まります。
- 第一次実技:審査員6人中4人以上
- 第二次実技:審査員9人中6人以上
- 形:審査員3人中2人以上
八段審査の審査員は範士で、審査会で合格と判定された人について、会長が合格を決定します(規則第19条・第20条)。
形だけが不合格だった場合は、審査日から1年以内に1回に限り、形の再受審ができます(当日に形を受けなかった人は対象外)。
全剣連は、審査員の寸評も公表しています。
2026年5月の京都の審査について、遠藤正明氏は月刊「剣窓」2026年6月号で、次のように述べています。
特に、八段位の格には、着装、構え等も含め、他を圧倒する様な雰囲気が求められます。
全日本剣道連盟「剣道八段審査会(京都)1日目」の「審査員の寸評(実技)」
寸評では、このほかに「八段審査では軽い打突は認められません」とも述べられています。
試合の一本の考え方は、剣道のルールの記事にまとめています。

八段審査の審査料と登録料
八段の審査料と、合格後に納める称号・段位の登録料は、規則第26条で「別に定めるところにより」とされ、所属の都道府県剣連を経て全剣連へ納めます。
全剣連の公式サイトで、全国共通の料金表は見つかりませんでした。
審査料の例として、2026年5月の京都の審査では、大阪府剣連の要項に会員17,600円とあります。
2026年11月の東京の審査では、香川県剣連が掲載する要項に「審査料(含む消費税)22,000円」とあります。
審査料は、所属の連盟(会員か非会員か)によって異なる場合があります。
登録料については、香川県剣連の2026年1月29日の告知の表では、八段の登録料は2026年4月以降に77,000円から89,500円へ改定する予定とされています(70歳以上は半額の44,750円)。
全剣連の2025年度事業報告には、2026年3月5日の理事会の決議事項に「登録料改定」が挙がっていますが、全剣連の金額は公表資料で確認できていません。
受審を考える方は、所属の都道府県剣連の案内でご確認ください。
まとめ
八段について、全剣連の公表資料から分かったことをまとめます。
- 合格率:2012〜2026年8月は0.5〜1.1%(延べ人数ベース)
- 人数:約850名(全剣連・2026年3月時点・概数)
- 受審資格:七段取得後10年以上、かつ満46歳以上(65歳以上は七段取得後5年の特例)
- 合格者の年齢(編集部集計):46〜81歳、中央値54歳
- 女性:2025年3月時点で、八段は全員男性

八段は長い修業の先にある段位ですが、段位はどれも、道場での稽古の積み重ねから始まります。
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よくある質問
全剣連の公表では、2025年度は延べ5,502人の受審に対して合格者45人で、合格率は0.8%です。
2016〜2025年度の10年間では約0.73%(編集部の計算)でした。
受審者は延べ人数のため、1人が合格する確率ではありません。
七段を取得して10年以上修業し、かつ満46歳以上で受審できるため、最短は46歳です。
46歳で合格した人は2017年度から2026年8月までに9人(編集部の集計)いて、最年少の記録保持者は1人に決まりません。
65歳以上は七段取得後5年で受審できる特例があります。
全剣連は2026年3月に「約850名の八段受有者」(八段を取得している人)と公表しています(2025年3月は約800名)。
正確な人数は公表資料で確認できないため、概数です。
2017年度以降の公式の合格者一覧で確認できる最高齢は、2024年8月11日に愛知で合格した81歳です。
東京新聞は2025年3月時点で、八段の有段者は全員が男性と報じています。
全剣連の2025年度事業報告では、八段審査の受審者5,502人のうち女性は112人、合格者45人のうち女性は0人でした。
2026年度の男女別の人数は確認できていません。
2022年度以降は、5月に京都、8月に愛知、11月に東京で行われ、各回2日間です。
第一次実技は審査員6人中4人以上、第二次実技は9人中6人以上、形は3人中2人以上の合意で合格となります。
2000年(平成12年)4月の規則改正以降、九段・十段は審査していません。
現在の段位は初段から八段までで、称号と段位を通じた最高位は範士です。
出典・参考資料
執筆:武道道場ナビ編集部(情報は2026年10月6日時点)
全日本剣道連盟(全剣連)
- 剣道八段審査会 結果
- 称号・段位審査規則(2026年4月施行版)
- 規則の改定(2025年6月施行)
- 規則の新旧対照表(2026年4月施行)
- 2025年度事業報告
- 全日本選抜剣道八段優勝大会(2026年3月)
- 全日本選抜剣道八段優勝大会(2025年3月)
- 剣道八段審査会(京都)1日目・審査員の寸評(2026年5月)
- 審査会要項抜粋(東京・2026年11月)
- 合格者一覧(例:2024年8月 愛知)
- 剣道について(九段・十段)






