剣道や柔道、空手の段位を持っていると、
「これは資格として履歴書に書けるの?」
「どう書けば正式な書き方になる?」
「取った年月を忘れてしまった」
と迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、厚生労働省の履歴書の様式例と、警察官の採用試験で段位が「資格」として扱われている実例(神奈川県警察・令和8年度)をもとに、武道の段位と履歴書の関係を出典つきで整理します。
武道ごとに、段位を証明する書類も表にしました。
剣道の段位の正式名称や受審資格は剣道の昇段審査の記事にまとめています。
武道の段位は資格になる?結論から
規程を確認できた剣道と柔道では、段位は団体の規程や内規にもとづいて審査・認定されています。
剣道は、全日本剣道連盟(以下「全剣連」)の「剣道称号・段級位審査規則」で初段から八段までが定められています。
柔道については、日本武道館の公開資料に「講道館では、柔道の段位認定を行っている」と書かれています。
そのうえで、公的な採用試験で段位が「資格」として扱われている例があります。
神奈川県警察の令和8年度の警察官採用試験では、柔道・剣道・空手道・合気道・少林寺拳法・日本拳法などの初段以上が、情報処理や語学の試験と並んで「資格加点」の対象になっています。
ただし、段位をどう評価するかは、提出先(会社・団体・試験)ごとに違う場合があります。
この記事で紹介するのは、あくまで公表されている一つの例です。

剣道・柔道の段位はどこが審査する?規程の要点
「どの団体の段位か」を書くために、段位がどこで審査され、誰が認めているのかを、公表されている規程で確かめておきましょう。
ここでは、規程を確認できた剣道と柔道を取り上げます。
剣道:初段〜五段の審査は地方代表団体に委任される
全剣連の「剣道称号・段級位審査規則」は、全剣連の定款に基づいて、剣道の称号と段級位の審査・授与などを定めたものです。
この規則では、初段から五段までの審査(全剣連が直接行う審査を除く)は、全剣連の会長が地方代表団体(都道府県の剣道連盟など)に委任して行うとされています。
一方、級位の審査の方法・運営や証書の授与、登録は、地方代表団体が定めるところによるとされています。
級を書くときも、証書に書かれた団体名を確かめておくと安心です。
受審の条件や審査の内容は、剣道の昇段審査の記事をご覧ください。
柔道:講道館が試合成績・修行年限・形で評定する仕組みがある
日本武道館の公開資料(2024年12月作成のPDF)に載っている講道館の昇段資格の内規(抜粋)では、初段に昇段できる最少年齢は満14歳とされています。
初段から五段までの候補者は、試合成績による得点、修行年限、形の修行状況によって評定されます。
得点に数えるのは、講道館・全日本柔道連盟・講道館が段位の推薦を委託した団体が主催または後援した大会に限られます。
このほか、同じ資料の抜粋には、実技試験で昇段させる扱いや、年齢の基準が当てはまらない場合の定めもあります。
空手道・合気道・少林寺拳法・日本拳法は団体の案内で確認を
空手道・合気道・少林寺拳法・日本拳法については、この記事では審査の規程の原文までは確認していません。
次の章で、神奈川県警察の案内に証明する書類として挙がっている団体の書類を紹介するだけにとどめます。
受審の条件や審査の内容は、所属の道場や団体の案内で確かめてください。
履歴書の「免許・資格」欄に段位を書いてよい?
厚生労働省は2021年(令和3年)4月に「履歴書様式例」を示しました。
この様式例には「免許・資格」の欄と、「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」の欄があります。
様式例に段位の記載例はありませんが、段位を書くとすれば、このどちらかの欄になると考えられます。
この様式例は、日本規格協会(JIS)が示していた履歴書の様式例が削除されたことを受けて、厚生労働省が公正な採用選考の参考として作ったものです。
なお、この様式例について厚生労働省は「法的拘束力はない」としており、どの様式を使うかは企業が判断できます。
応募先が様式を指定している場合は、その指示に従ってください。
「免許・資格」欄に書くときのポイント
段位だけを書くと、どの団体が認定した段位なのかが読み手に伝わりにくいことがあります。
「どの団体の段位か」が分かるように、次の3点を手元の証書で確かめてから書くと安心です。
- 証書に書かれた団体名(例:全日本剣道連盟、講道館)
- 段位(初段・二段など)
- 取得した年と月

「特技」などの欄に書く場合
様式例の「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」の欄は、文章で書ける欄です。
「免許・資格」欄に段位を書いたうえで、こちらの欄に稽古を続けてきた年数や、稽古を通して身についたことを添える使い方も考えられます。
どちらの欄に書くかは、応募先の様式や、伝えたい内容に合わせて選んでください。
剣道の段位の正式名称(「全日本剣道連盟◯段」)については、昇段審査の記事で詳しく説明しています。
ほかの武道も、証書の表記に合わせて書くのが確実です。
段位を証明する書類は武道ごとに違う(剣道・柔道・空手・合気道など)
段位を証明する書類の名前は、武道によって違います。
神奈川県警察の令和8年度の警察官採用試験では、資格加点(初段以上)の「証明する書類」として、武道ごとに次の書類が挙げられています。
| 武道 | 証明する書類(神奈川県警察の案内の表記) |
|---|---|
| 柔道 | 講道館の段位証書、講道館による証明書又は講道館館員証 |
| 剣道 | 全日本剣道連盟の段位証書又は、全日本剣道連盟による証明書(各県剣道連盟のものでも可) |
| 空手道 | 全日本空手道連盟の段位証書又は全空連会員証(JKFカード) |
| 合気道 | 合気会の段位証書又は国際有段者証 |
| 少林寺拳法 | 少林寺拳法連盟の允可状 |
| 日本拳法 | 日本拳法全国連盟の允許状 |
出典:神奈川県警察「令和8年度警察官採用試験」資格加点申請(2026年9月30日更新のページ)
読み方の注意
同じ案内には、弓道・相撲・なぎなた・空道(いずれも初段以上)も並んでいます。
この表は、神奈川県警察が令和8年度の採用試験で受け付ける書類です。
ほかの採用試験や企業が同じ書類を求めるとは限りません。
また、この案内に挙がっていない団体の段位をどう扱うかは、提出先に確かめる必要があります。
各武道の段位の仕組みは、柔道の帯の色と昇段の記事、空手の段位制度の記事、合気道の段級位制度の記事、少林寺拳法の黒帯(初段)の記事で紹介しています。
剣道・柔道などの段位が採用試験で使われる例(神奈川県警察)
神奈川県警察の採用試験では、段位が関係する仕組みが2つあります。
1つは、上で紹介した「資格加点」で、武道は初段以上が対象です。
もう1つは「術科区分」で、段位に加えて競技会での「優秀な成績」が条件になります。
術科区分の段位の条件は、柔道がA・B区分とも二段以上、剣道がA区分は三段以上・B区分は二段以上です。
いずれも、柔道は全日本柔道連盟、剣道は全日本剣道連盟か、これに加盟する団体が主催する競技会(または警察本部長がこれに相当すると認める競技会)で「優秀な成績」を収めた人が対象とされています。
申し込みのときには、証明する書類の画像データ(.jpgまたは.jpeg)を、e-kanagawa電子申請システムの欄に添付します。
案内では、第1次試験の当日に原本の確認は行わないとされていますが、必要に応じて原本を確認する場合があるため、証書は大切に保管するよう案内されています。
また、対象の資格は申し込みの時点で取得済みであることが求められています。
これから受験を考える方は、受験する年度の受験案内で最新の条件を確かめてください。

段位を取った年月の確かめ方
履歴書に取得した年月を書こうとしても、何年も前に取った段位だと、正確な時期を覚えていないこともあります。
まずは手元の証書を確かめるのが確実です。
剣道には「全剣連番号検索」のページがある
剣道は、全剣連の公式サイトのトップページから「全剣連番号検索(証明書発行)」のページに進めます。
検索の画面では、競技区分(剣道・居合道・杖道)、姓と名(カタカナ)、生年月日を入力します。
表示される内容や証明書の手続きは、ページの案内でご確認ください。
ほかの武道は所属の道場や団体に確認を
柔道・空手道・合気道・少林寺拳法・日本拳法については、取得年月日を調べる方法や証明書の再発行の手続きを、公表資料では確認できませんでした。
証書が見つからないときは、段位を取ったときに所属していた道場や、段位を認定した団体に問い合わせてください。

まとめ
武道の段位と資格・履歴書について、公表資料から分かったことをまとめます。
- 剣道の段位は全剣連の規則、柔道の段位は講道館の内規にもとづいて審査・認定されている
- 神奈川県警察の令和8年度の採用試験では、武道の初段以上が「資格加点」の対象
- 厚生労働省の履歴書様式例には「免許・資格」欄がある(様式に法的拘束力はない)
- 書くときは、証書どおりの団体名・段位・取得年月をそろえると伝わりやすい
- 剣道には「全剣連番号検索(証明書発行)」のページがある(表示される内容はページで確認)
段位は、どれも道場での稽古の積み重ねから始まります。
これから段位を目指したい方は、武道道場ナビの武道ごとの一覧から近くの道場を探せます。
目的から探すなら、特長別の本格的に習いたい人向けの一覧もご覧ください。
よくある質問
厚生労働省の履歴書様式例には「免許・資格」欄があり、段位を書く欄の候補になると考えられます。
神奈川県警察の令和8年度の警察官採用試験では、剣道の初段以上が資格加点の対象です。
ただし、段位の評価は提出先ごとに違う場合があります。
段位だけでなく、どの団体の段位かが分かるように書くと伝わりやすくなります。
手元の証書で団体名・段位・取得した年月を確かめ、証書の表記に合わせて書くのが確実です。
全日本剣道連盟の公式サイトのトップページから「全剣連番号検索(証明書発行)」のページに進めます。
競技区分、姓と名(カタカナ)、生年月日を入力して検索する画面です。
表示される内容や証明書の手続きは、ページの案内で確かめてください。
日本武道館の公開資料には「講道館では、柔道の段位認定を行っている」と書かれています。
神奈川県警察の採用試験でも、柔道の段位の証明書類として講道館の段位証書などが挙げられています。
神奈川県警察の令和8年度の案内では、空手道は全日本空手道連盟の段位証書またはJKFカード、合気道は合気会の段位証書または国際有段者証が挙げられています。
ほかの提出先では求める書類が違うことがあります。
神奈川県警察の令和8年度の警察官採用試験では、武道の資格加点の対象は初段以上とされており、級は挙がっていません。
ほかの試験や企業の扱いは、それぞれの案内で確かめてください。
出典・参考資料
執筆:武道道場ナビ編集部(情報は2026年10月12日時点)






