伝統派空手の段位制度を徹底解説!白帯から黒帯までの道のりは?

空手の段位制度は、ただの帯の色ではありません。

それぞれの色は、空手家の技術、知識、そして精神の成長を象徴しています。

この記事では、伝統派空手における白帯から黒帯への道のりを徹底的に解説し、各段位の意味と審査基準について深く掘り下げます。

この記事を書いた人

堤直義

・空手道20年
・柔術10年
幼少期より空手に励み、中学生からは柔術も始める。その他、棒術・居合も経験あり。
現在はWebライターとして活動している。

段位制度には種類がある

空手の段位には実は種類があって、単に空手初段と言ってもその実は様々です。

  • 全日本空手道連盟の段位
  • 各流派の段位
  • 各団体・道場の段位

それぞれの段位制度について、少し詳しく解説していきます。

全日本空手道連盟の段位

伝統派空手において一番大きな団体が全日本空手道連盟です。

日本空手道連盟が発行する段位は公認の段位の段位として扱われます。

年齢によって少年部門の段位(15歳未満)と一般部門の段位(15歳以上)に分かれており、少年段位は2段まで、一般部門は10段までです。

受審資格や審査内容の詳細は後述します。

各流派の段位

空手には、四大流派をはじめとして様々な流派があり、各流派によって段位制度が設けられています。

少し具体的に言うと、流派の本部を担う団体・所属道場が発行する級や段です。

全空連と同じく少年部と一般部で分けられていることが多く、審査基準も異なります。

有級者は色付きの帯を締め、級によって色が変わる仕組みがあるのですが、その帯に使用されている色も流派によって違います。

ただ、白帯からスタートして初段以上で黒帯になるというところは、どの流派でも共通しているので、黒帯=有段者です。

各団体・道場の段位

道場や、道場が所属している団体ごとにも段位や級位の制度があります。

通常、入門して最初に受ける昇級試験・昇段試験は、この段位制度であることが多いです。

少年部と一般部で段位が別か否か

黒帯になる難易度は道場によってかなり差があります。

「黒帯を締めた小学生が沢山いる道場」や「高校生の黒帯が誕生するのは数年に1度」などかなりの差があるので一概には言えません。

筆者の体験談

私が通っていた道場は初段のハードルがかなり高い道場でした。

初段を頂いた時は、20歳の時で、道場に通って15年が経つころでした。

人間性をかなり重視する道場で、初段に合格する以上に、初段の試験を受けるハードルが高かったです。

試験当日の内容は組手と型でした

組手は指導員を含めた有段者5人相手を相手にした3分間ノンストップの組手。

組手のテクニカルな部分ももちろん見られるのですが、力量が明らかに上の相手に対して向かっていく姿勢なども見られているのは分かったていたので必死に挑みました。鼻を骨折しながらも何とか乗り越えました。

その後の型の審査は自信はあったのですが、組手の審査でボロボロになっていたため、記憶があまりありません。

稀な例ではありますが、道場が独自で行っている審査でも黒帯のハードルがかなり高い例もあります。

気になる方は調べておいた方が良いでしょう。

共通するのは黒帯=初段以上

上述した通り段位の種類は多様です。
「〇〇武道館3段、公認段位初段」
「〇〇会の段位で4段だけど公認の審査は受けていない」
など、少しややこしい状況ではあります。

ただ、基本的にはどの段位制度でも黒帯=有段者ということは共通しています。

どんな審査?全日本空手道連盟の段位審査について解説

日本の伝統空手の組織において一番大きい枠組みである全日本空手道連盟(全空連)が行っている段位審査について解説していきます。

全空連が発行する段位が空手における公認段位です。

全空連の審査に合格して有段者になった場合は、他道場・他流派などの対外的な場でも有段者として扱われます。

受審資格

受審資格は、年齢と1つ前の段位取得からの経過年数で定められています。

少年段位

受審基準年齢
少年初段1級取得者満15歳未満
少年二段少年初段取得後、1年以上経過満15歳未満
少年段位は15歳未満を対象とした段位制度です。

少年初段の受審基準となっている1級は、全空連の1級に合格する以外に、全空連に加盟している道場が発行している1級を取得することでクリアできます。

段位

受審基準年齢
初段一級取得者満15歳以上且つ義務教育を修了した者
二段初段取得後、1年以上経過満15歳以上且つ義務教育を修了した者
三段二段取得後、1年以上経過満18歳以上
四段三段取得後、2年以上経過満23歳以上
五段四段取得後、3年以上経過満26歳以上
六段五段取得後、4年以上経過満34歳以上
七段六段取得後、5年以上経過満41歳以上
八段七段取得後、5年以上経過満50歳以上
九段八段取得後、9年以上経過満70歳以上
十段九段取得後、10年以上経過

受審資格が、年齢や段位取得後の経過年数に定められています。

一朝一夕の経験では昇段できないのは当然ではありますが、長い年月の修練が必要となっています。

審査内容

初段~五段

初段~五段の審査では、形と組手による実技審査が行われます。

組手
初段指定形1つ自由組手1試合
二段指定形1つと得意形1つ自由組手2試合
三段指定形1つと得意形1つ自由組手3試合
四段指定形1つと得意形1つ自由組手2試合
五段指定形1つと得意形1つ自由組手2試合

六段~八段

六段~八段では実技試験だけでなく、筆記試験や小論文も審査項目となっています。

組手その他
六段指定形1つと得意形1つ自由組手2試合筆記試験
七段指定形1つと得意形1つなし筆記試験
八段形2つ、形の分解と応用なし小論文

筆記試験や小論文、形の応用などが審査対象となっており、空手に対する深い造詣が問われます。

九段、十段

九段と十段には試験がありません。特別推薦制度によって授与されます。

また、空手の発展や継承に対する功績が認められた場合などに「名誉九段」が授与されることもあります。

2020年には空手の東京オリンピックでの新種目入りに尽力した、菅義偉元首相が史上3人目の名誉九段を授与されています。

黒帯は難しい?難易度は道場で異なる

「黒帯になるのは難しい?」「何年もかかる?」という疑問に対する答えは、「道場によって違う」となります。

早い道場では2年ほどの稽古で黒帯になれるところもありますが、一方で10年以上修練してやっと審査を受けられるような厳しい道場もあり、難易度の差が大きいです。

気になるようでしたら見学の際に黒帯の門下生がどのくらい居るのかを見ておくとよいでしょう。

まとめ

空手の段位制度は、単なる帯の色の変化以上の深い意味を持っています。白帯から始まり、黒帯に至るまでの道のりは、技術の向上はもちろん、精神的な成長や人間性の磨きの象徴です。

全日本空手道連盟、各流派、そして各団体や道場によって異なる審査基準や段位制度があり、それぞれの背景には独自の哲学や価値観が存在します。

筆者の個人的な意見ではありますが、黒帯自体に価値があるのではなく、それまでのプロセスに意味があると思っています。空手の道に身を置くのであれば黒帯を目指すのは勿論良い目標ではありますが、固執しすぎずに日々の稽古に励むのをオススメします。

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