剛柔流空手道は空手の4大流派のひとつであり、特に接近戦でその真価を発揮する流派です。
この記事では、剛柔流の特徴や技術、修練方法について詳しく解説します。
映画『ベスト・キッド』のモチーフともなったこの流派の魅力を、空手有段者の視点からお伝えしますので、最後まで読んでいただけたらと思います。
この記事を書いた人
・空手道20年
・柔術10年
幼少期より空手に励み、中学生からは柔術も始める。その他、棒術・居合も経験あり。
現在はWebライターとして活動している。
剛柔流とは?
剛柔流は、空手の4大流派のうちの1つで、間合いの近い接近戦を得意としている流派です。
映画『ベスト・キッド』のモチーフになっていると言われています。
4大流派に属する名門
空手道の流派はたくさんありますが、剛柔流はそのたくさんある流派の中でも、松濤館流・糸東流・和道流と並んで空手の4大流派に数えられている名門です。
遠い間合いでの戦いを得意とする松濤館流や糸東流と比べて、剛柔流は近い間合いでの接近戦での打撃や掴み技を得意としています。
また、三戦(サンチン)や転掌(テンショウ)を用いた修練方法も特有であり、剛柔流の特徴と言えるでしょう。
極真会館の源流にもなっている
剛柔流はフルコンタクト空手の名門である極真会館の源流でもあります。
極真会館の開祖である大山倍達氏が、空手の修行を積んだのが剛柔流です。
剛柔流の三戦や転掌も、極真会館の修練に取り入れられています。
剛柔流の近い間合いでの打ち合いや、攻撃をくらっても耐えられる身体作りという考え方が生きているように感じます。
剛柔流の特徴
剛柔流は、狭い間合いでの接近戦を得意とし、円運動を使った力に頼らない受けで攻撃を受け流し、相手に反撃を加えるという特徴をもった流派です。
狭い間合いでの接近戦を得意とする
剛柔流の特徴として、近い間合いでの接近戦を得意としていることが挙げられます。
関節の動きをうまく利用した円運動の動きが多く、円運動により相手の力を殺し、転身自在な動きと金的防御を両立した猫足立ちなどにより、攻守を円滑に行うことが出来ます。
形においても、スーパーリンペイに代表されるように接近戦を想定した形が多くみられます。
剛柔流の特徴でもある三戦や転掌で鍛え上げられた防御力・瞬発力・集中力を発揮し、相手の技を受け止めたうえで打撃や投げにつなげる接近戦を得意としています。
力を必要としない受け技
剛柔流の受け技は力に頼った防御ではなく、円運動を取り入れた動きで相手の攻撃を受け流すというスタイルです。
また、拳ではなく開手の状態での受けが多様され、その種類も豊富です。
開手で行われる受けは、相手の攻撃を受け流した後そのまま反撃につなげられるという利点があります。
攻撃を受け流した手で相手の腕を掴んで、相手を引き付け、打ち技や蹴り技、投げ技などにつなげられるというモノです。
こうすることで接近戦の中で相手の技の勢いを用いて、相手に反撃ができるようになっています。
独特の呼吸法「息吹」
剛柔流では、「息吹」と呼ばれる独自の腹式呼吸法が用いられています。
剛柔流の技は、身体や動きだけではなく息吹がしっかりできてこそ完成されるものです。
同じ流派でも道場によって特色がある
ここまで、剛柔流という流派の特徴を紹介してきましたが、同じ剛柔流の道場であっても道場ごとに違いがあります。
剛柔流であれば、三戦や転掌を用いない道場というのは無いと思いますが、三戦や転掌、呼吸法の修練に長い時間をかける道場や、組手稽古に時間を割く道場など様々です。
組手においても、試合ルールでの組手と、そうではない自由組手のどちらに力を入れているのかという部分でも変わってきます。
実際に道場に見学にいってみて、気になったことがあれば遠慮なく質問し、「イメージと違った」と後悔しないようにしておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では、剛柔流の特徴について解説しました。
剛柔流は空手の4大流派の中でも、接近戦に長けた流派です。
また、三戦や転掌、息吹など特有の技術も多く、一生を通して追及していけるものだと思います。
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