「柔道の黒帯は何年くらいで取れるの?」
「小学生でも黒帯になれる?」
「試合で勝てないと初段は無理?」
と気になっている方も多いのではないでしょうか。
お子様に柔道を習わせたい保護者の方や、大人になってから柔道を始めた方にとって、黒帯までの道のりは大きな目標です。
この記事では、講道館が公式サイトで公開している「講道館昇段資格に関する内規」と「講道館級位(少年)」の基準、講道館少年部のQ&Aをもとに、黒帯(初段)を取るための年齢・修行年限・試合の得点を出典つきで整理します。
帯の色の種類や順番は柔道の帯の色とランクの記事にまとめています。
柔道の黒帯は何年で取れる?結論から

講道館の少年部Q&Aでは、「黒帯には、どうすればなれますか?」という質問に、初段の取得の方法で答えています。
内規には帯の色の記載は見当たりませんが、黒帯を目指すことは、柔道の段位の最初である初段を目指すことと考えてよいでしょう。
「この年数で黒帯が取れる」と決めた規程は、確認できた範囲ではありません。
講道館の内規が定めているのは、次のような最低の基準です。
- 初段を取れる最少年齢は満14才
- 無段のあいだの修行年限は、試合の得点に応じて1年以上または1年半以上
- 形(かた)の審査に合格すること
子どもの場合は、年数よりも先に最少年齢(満14才)が条件になります。
中学生以上で始めた場合は、無段での修行年限(1年以上または1年半以上)が最低の目安です(いつから数えるかは後の節で説明します)。
内規には「この基準に達しない者は審議の対象にならない」と書かれています。
実際にかかる年数は、稽古の量や試合への参加の仕方で人によって違います。
平均の年数を示した公表データは、確認できませんでした。
黒帯(初段)は何歳から?最少年齢は満14才
講道館の内規では、初段に昇段できる最少年齢は満14才です。
講道館の少年部Q&Aでも「中学2年生になったら初段を取得することが出来ます」と案内されています。
埼玉県柔道連盟の昇段基準では、初段の最少年齢を「年度内に満14才に達する者」としています。
内規は年齢、少年部Q&Aは学年、県の連盟は年度で書いているため、実際の扱いは審査を行う団体に確かめてください。
なお、内規には例外もあります。
講道館の春季・秋季の紅白試合などで、連続して勝ち抜いた得点が6点以上あり、そのうち「一本勝ち」が5点以上の四段以下の人は、「抜群昇段」として修行年限や最少年齢にかかわらず即日昇段が認められます(2階級が限度)。
全日本柔道選手権大会・世界柔道選手権大会・オリンピックで特に優秀な成績を挙げた人の「特別昇段」もあります。
こうした例外を除けば、満14才が初段の最少年齢です。
女子の初段も最少年齢は同じ
女子には「講道館女子柔道昇段資格に関する内規」が別にあります。
女子初段の最少年齢も満14才で、無段での試合の得点と修行年限の表(6点以上なら1年以上、3点以上なら1年半以上)も男子の初段と同じ数字です。
初段で審査される形も、男子と同じ「投の形のうち手技・腰技・足技」です。
小学生のうちは級位(色帯)を上がっていく
初段の最少年齢が満14才のため、小学生は原則として段位を取れません。
小学生は「講道館級位(少年)」の基準で七級から一級まで昇級します。
級ごとに、昇級できる最少学年と最少修行月数(その級に上がるまでに必要な最低限の稽古の月数)が決まっています。

| 級 | 帯の色 | 最少学年 | 最少修行月数 |
|---|---|---|---|
| 七級 | 水色 | 小学1年 | 6ヵ月 |
| 六級 | 水色 | 小学1年 | 3ヵ月 |
| 五級 | 黄色 | 小学2年 | 3ヵ月 |
| 四級 | オレンジ色 | 小学2年 | 3ヵ月 |
| 三級 | 緑色 | 小学3年 | 3ヵ月 |
| 二級 | 紫色 | 小学4年 | 3ヵ月 |
| 一級 | 茶色 | 小学5年 | 3ヵ月 |
出典:講道館「昇段資格について」講道館級位(少年)基準(無級は白色)
最少修行月数を七級から一級まで足すと24か月です(編集部の計算)。
ただし最少学年の決まりもあるため、小学1年生で始めても一級に上がれるのは小学5年生からです。
講道館の少年部Q&Aによると、講道館では中学生は無段者として扱われ、小学生のときの級に関係なく試合に参加して初段を目指します。
初段の条件:試合の得点と修行年限
講道館の内規では、初段の候補者は、無段のあいだの「試合の得点」と「修行年限(その段位・無段でいる年数。数え始めは後述)」、形の修行状況で評定されます。
初段の欄に修行年限が書かれているのは、「良」と「可」の2つの評定です。
| 評定 | 無段での試合の得点 | 無段での修行年限 |
|---|---|---|
| 良 | 6点以上 | 1年以上 |
| 可 | 3点以上 | 1年半以上 |
出典:講道館「講道館昇段資格に関する内規」8(平成27年4月1日改正)
表の「秀」「優」の行は、初段の欄の修行年限が空欄です。
修行年限をいつから数えるかは、内規の本文では確認できませんでした。
講道館の少年部Q&Aは、月次試合・紅白試合に初めて参加した日からの日数で、必要な点数が変わると案内しています。
くわしくは所属の道場や、審査を行う団体の案内で確かめてください。
試合の得点の数え方
得点になるのは、講道館・全日本柔道連盟・講道館段位推薦委託団体が主催または後援した大会の試合です。
不戦勝ちなど、試合が行われなかったものは数えません。
無段の人どうしの試合は「同段者」の試合なので、勝ちは1.0点、引き分けは0.5点です。
上の段位の人との引き分けにも点があり、1階級上位段者との引き分けは0.75点、2階級以上上位段者との引き分けは1.0点です。
たとえば「可」の3点は、同段者に3回勝つと届く点数です(編集部の計算)。

試合で勝てなくても初段は取れる?実技試験の道

内規には、試合の得点によらない道もあります。
原則として「可」の評定の修行年限(初段なら無段で1年半以上)を満たす初段・二段・三段の候補者は、実技試験を行って昇段させることができる、と定められています。
試験は3人以上の試験官が行い、内容は次の6項目です。
①礼法 ②姿勢・態度 ③受身 ④技の知識 ⑤形 ⑥試合または乱取(らんどり=自由に技をかけ合う稽古)。
試験官はこれらを総合的に判断して評定します。
内規の付則には、技の効き目やうまさについて「試合成績により昇段する者との差がないように十分注意して評定を行う」とも書かれています。
試験を行うかどうかや日程は審査を行う団体によって違うため、所属の道場で確かめるのが確実です。
初段の形の審査:投の形の手技・腰技・足技
得点や修行年限を満たしたうえで、形の審査があります。
初段で審査される形は「投の形のうち手技・腰技・足技」です。
初段から六段までの候補者は、実技試験で「合否」の評定を受けます。

埼玉県柔道連盟の昇段基準では、試合の結果で合格基準に達した人も形の審査を受けなければならず、形に合格しない人は「保留」になると書かれています。
また内規には、身体の事由によって衝撃を受ける技や形が難しい初段から三段の候補者は、柔の形(じゅうのかた)で受験できるという特例もあります。
黒帯になってから二段・三段までは何年?
初段を取ったあとも、同じ内規の表で二段から五段までの条件が決まっています。
「可」の評定(その段位で3点以上)の場合、必要な修行年限は段が上がるごとに長くなります。
下の図と表の年数は、それぞれの段位で必要な年限で、初段からの合計ではありません。

| 昇段する段位 | 良(6点以上) | 可(3点以上) |
|---|---|---|
| 初段(無段で) | 1年以上 | 1年半以上 |
| 二段(初段で) | 1年半以上 | 3年以上 |
| 三段(二段で) | 2年以上 | 4年以上 |
| 四段(三段で) | 3年以上 | 5年以上 |
| 五段(四段で) | 4年以上 | 6年以上 |
出典:講道館「講道館昇段資格に関する内規」8
全日本柔道選手権大会・世界柔道選手権大会・オリンピックで3位以上の「秀」や、全日本柔道連盟の強化選手に選ばれた人などの「優」は、さらに短い年限が定められています(二段は秀で半年以上、優で1年以上)。
五段の最少年齢は満20才です。
段位を履歴書にどう書くかは、武道の段位と履歴書の記事で整理しています。
初段の審査はどこで受ける?講道館と都道府県の連盟

講道館の少年部Q&Aによると、初段を取る方法は大きく2つあります。
1つは、講道館の月次試合・紅白試合で点数をため、形の試験に合格する方法です(紅白試合は春と秋の年2回)。
もう1つは、各区や県など、講道館が委託している団体が行う昇段試験を受ける方法で、試験の内容は団体によって様々とされています。
費用も一つの金額では言えません。
例として、講道館で稽古するには入門の手続きが必要で、入門料は8,000円と案内されています(講道館少年部Q&A・入門料だけの金額です)。
審査料などは団体ごとに違うため、所属の道場や都道府県の柔道連盟の案内で確かめてください。
入門前に道場で確かめておきたいこと
黒帯までの道のりは、通う道場や審査を行う団体によって変わります。
入門前の見学のときに、次のような点を道場に聞いておくと安心です(編集部の提案)。
- 昇級・昇段の審査は、どの団体の審査を受けるのか
- 得点の対象になる試合に、年に何回くらい出る機会があるか
- 形(投の形)の練習を、いつごろから始めるか
- 入門料・審査料・登録料など、月謝以外にかかる費用
稽古の回数も道場によって違います。
講道館少年部のQ&Aでは、子どもの稽古は週3〜4回がいちばん多いとしています。
習い事や学校との両立を考えながら、続けやすい道場を選ぶ目安にしてください。
まとめ

- 黒帯を目指すことは、柔道の初段を目指すこと(講道館少年部Q&A)
- 初段の最少年齢は満14才(講道館の内規)
- 小学生は七級〜一級の級位を上がる(一級は小学5年から・茶色の帯)
- 無段での修行年限は、6点以上なら1年以上、3点以上なら1年半以上
- 「可」の年限を満たせば、試合の得点によらない実技試験の道もある
- 初段の形は「投の形のうち手技・腰技・足技」
黒帯への道は、道場での毎日の稽古から始まります。
武道道場ナビの柔道の道場一覧から、近くの道場を探せます。
お子様の道場選びなら子供多数在籍、大人から始めるなら武道未経験者多数の一覧もご覧ください。
柔道の向き・不向きが気になる方は柔道に向いている子の記事、試合の決まりは柔道の基本ルールの記事も参考になります。
よくある質問
講道館の内規では、初段に昇段できる最少年齢は満14才です。
講道館の少年部Q&Aは、中学2年生になったら初段を取得できると案内しています。
学年・年度の扱いは審査を行う団体に確かめてください。
講道館の内規では初段の最少年齢が満14才のため、小学生は原則として段位を取れません。
小学生は講道館級位(少年)の基準で七級から一級まで昇級でき、一級の帯は茶色です。
講道館の内規の表では、無段での試合の得点が6点以上なら1年以上、3点以上なら1年半以上の修行年限が必要です。
これは最低の基準で、実際にかかる年数は人によって違います。
講道館の内規では、原則として「可」の評定(試合の得点3点以上の場合)の修行年限を満たす初段の候補者は、試合の得点によらず実技試験で昇段させることができると定められています。
試験を行うかどうかは審査を行う団体の案内で確かめてください。
講道館女子柔道昇段資格に関する内規でも、女子初段の最少年齢は満14才です。
無段での得点と修行年限の表も、男子の初段と同じ数字になっています。
講道館の内規の表では、初段での試合の得点が6点以上なら1年半以上、3点以上なら3年以上の修行年限が必要です。
形の審査は投の形です。
出典・参考資料
執筆:武道道場ナビ編集部(情報は2026年10月19日時点)






