大人に人気の武道5選|運動不足解消・ストレス発散におすすめの習い事

仕事や家事で忙しい現代人にとって、運動不足やストレスは大きな悩みですよね。
そんな中、社会人の趣味・習い事として「武道」を始める人が増えています

武道は子どもが習うものと思われがちですが、実は大人でも気軽に始められ、心も身体も鍛えられる素晴らしい趣味です。
日頃の運動不足を解消しつつ、ストレス発散や護身術の習得にもつながる一石二鳥の習い事として注目されています。

「体を動かしたいけどジム通いは続かなかった」「ランニングは退屈で続かない」という方でも、武道ならば「段位取得」や「技の上達」など明確な目標ができるためモチベーションを保ちやすいというメリットもあります。

とはいえ、いざ大人になって新しい武道を始めるのは少し勇気が要りますよね。
しかし実際に飛び込んでみると、同年代から上は50代・60代の方まで初心者で始めている仲間がいて驚きました。

道場には会社帰りの女性や非体育会系の男性など、意外なほど色々なタイプの人がいて、「自分だけじゃないんだ」と安心できました。

武道の世界は思っている以上に社会人初心者に寛容で、仕事以外の新たな仲間ができる場でもあります。
稽古を重ねるごとに技ができるようになる達成感があり、気が付けば心身ともに健康になってストレスも減ることでしょう。

本記事では、運動不足解消やストレス発散に特におすすめの大人向け武道5選を紹介します。

それぞれの武道がどんな目的に効果的か(健康・護身・集中力アップ・継続しやすさなど)、初心者が感じる不安点とその対策、費用や練習頻度、安全性なども詳しく解説します。

合気道 – 無理なく始められ護身術も身に付く、生涯続けやすい武道

合気道は大人の習い事として最適な武道の一つです。
最大の特徴は、激しい打ち合いがなく老若男女だれでも無理なく始められる点にあります。

合気道では相手の力を利用して投げたり関節を極めたりするため、筋力に自信がなくても大丈夫です。
実際、合気道道場には30代・40代から初心者で始めた方も多く、50代以降でも始める人がいるほどです。
「武道ってハードルが高そう…」と思っている人にこそ合気道はおすすめできます。

運動不足解消と健康効果

合気道の稽古は見た目にはゆったりしていますが、全身をまんべんなく使う有酸素運動です。
体幹の軸を意識した動きをするため姿勢が良くなり、柔軟性やバランス感覚も向上します。

実際に合気道を始めた人からは「腰痛が改善した」「体がしなやかになった」という声もあります。
合気道は基本的に一定のペースで動き続けるので、知らず知らずのうちに汗をかき、終わった後は爽快感があります。

息が上がるほどの激しい動きは少ないため、運動が久しぶりの人でも安心して取り組めます。

50代から体づくりのために合気道を始めた方も「無理なくできて、体が軽くなった」という話もあります。
さらに、合気道の呼吸法(腹式呼吸で力を抜く動作)はリラックス効果があり、稽古後は心身ともにスッキリすると感じる人が多いです。
日々デスクワークで凝り固まった体をほぐし、ストレスを汗と一緒に流せるのが合気道の魅力です。

護身術としての安心感

合気道は「護身術」に重きを置いた武道です。
型稽古が中心で試合はありませんが、その型自体が実践的な護身の技でもあります。
例えば、相手に手首を掴まれたときに振りほどいて相手を制する技や、不意に殴られそうになった際に身をかわして相手を倒す技など、現実の危険回避に役立つ動きが含まれています。

「いざという時に自分や家族を守れる術を身に付けたい」という方にはピッタリでしょう。
しかも合気道は力に頼らず相手を制するので、女性や体格の小さい人でも続けるうちに自然と護身スキルが身に付いていきます。
「いきなり相手を倒すのではなく、まず逃げる・かわす」という考え方も合理的で、危険回避の心構えとして覚えておいて損はありません。
実際、護身術講座で合気道の技が教えられることも多く、シンプルながら効果的な技術として評価されています。

精神面のメリットと継続性

合気道の稽古目的の一つは「精神を鍛えること」にあります。
乱暴な攻防が無く一見穏やかに見える合気道ですが、稽古を積んでいくと自分の未熟さにぶつかる場面も出てきます。
新しい技がなかなか上手くできない、思うように体が動かない、といった壁を一つ一つ乗り越えることで自信が培われ、心が強くなっていきます

また、合気道は他の武道に比べケガが少なく安全に配慮された稽古体系なので、長期間続けやすいのも大きな利点です。
初期費用も道着くらいで他の武道より手軽です。

これらの理由から、一度始めた人は生涯の趣味として長く続けるケースが多いです。

  • 費用
    合気道の月謝は地域や道場によりますが、一般的に月5,000円前後が多いようです。公共スポーツセンターのサークルなら月2,000~3,000円程度、専用道場や有名道場だと月6,000~8,000円というケースもあります。
    入会金は5,000~10,000円程度、道着代は1万円弱です。
    その他、スポーツ保険代が年1,000~2,000円、昇級・昇段審査料が級位で3,000円前後、段位で1万円程度かかります。
    初期費用が道着くらいなのは合気道の始めやすい点でもあります。
    防具や武器は基本不要ですが、道場によっては木剣や杖を自主購入する場合も(木剣・杖セットで5,000円程度)。
    頻繁に買い換えるものは無く、道着も洗い替え含め2着あれば十分です。
  • 頻度
    週1回から自分のペースでOKです。社会人の方は仕事終わりに週1~2回通う人が多いです。
    合気道は続けるほど上達するので、可能なら週2回以上通えると理想ですが、無理せず続けることが一番です。
    稽古時間は1回あたり90~120分程度が一般的です。
    忙しいときは月に1回でも休会扱いにならない道場が多いので、自分の予定に合わせて柔軟に通えます。
    昇段を目指す場合は集中的に通う時期を作るなどメリハリをつけると良いでしょう。
  • 安全性
    ケガの少なさは武道随一といってよいでしょう。
    組手で打撃を交わす武道ではないので、アザだらけになったり顔に傷が…といった心配はほぼありません。
    稽古では受け身で多少肩や背中を打つことがありますが、慣れるにつれ痛みも無くなります。
    もちろんゼロではなく、たまに手首をひねったり受け身でムチ打ちのようになって首が痛い…という話は聞きますが、柔軟や準備運動をしっかり行い無理をしなければ重傷には至りにくいです。
    女性にとっては「稽古で青あざができない」というのは嬉しいポイントでしょう。

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空手 – 全身運動でダイエット効果抜群!ストレス発散にも最適な王道武道

大人に人気の武道として外せないのが空手です。
空手は突き・蹴りといったダイナミックな動作で全身を使うため、運動効果が高くダイエットにも最適です。
さらに、大声で気合いを発して力強く拳を繰り出すことで日頃のストレスを思い切り発散できる爽快感があります。

全身運動で運動不足解消

空手の稽古では基本稽古(突き・蹴りの反復練習)、型の演武、ミット打ちやサンドバッグ打ちなど、多彩なメニューで体を動かします。
これらはいずれも全身の筋肉を使う有酸素運動であり、継続すれば高いエクササイズ効果が得られます。

例えば正拳突きを繰り返すだけでも二の腕や背中の筋肉を使い、前屈立ちで踏ん張れば下半身も鍛えられます。
蹴り技は体幹のバランスや柔軟性アップに貢献します。1時間の稽古でしっかり汗をかき、「最後にこんなに気持ち良い汗をかいたのが思い出せない」という人もいるほどです。

また空手はインナーマッスルも使うので姿勢改善にもつながります。
ジムでのランニングマシンが退屈だった方も、空手の稽古なら「次はこの技!」と変化があるので飽きずに続けられたという声もあります。

ストレス発散と爽快感

空手といえば「気合い」の発声。
突きや蹴りを出す際に「エイッ!」「ヤーッ!」と声を出すのは一見恥ずかしいようですが、やってみると驚くほど気分がスッキリします。腹の底から声を出すことで呼吸も深まり、自律神経のバランスが整う効果も期待できます。

さらに、ミットやサンドバッグに向かって思い切り拳を叩き込む練習は最高のストレス解消です。
上司に怒られた日も、サンドバッグを上司だと思って蹴りまくればモヤモヤが吹き飛ぶ…なんて冗談を言う会員さんもいます(もちろん安全には配慮しますが)。

空手の稽古後は「嫌なことがあってもどうでもよくなる」「終わった後、心が晴れやかになる」という声が多く、精神的なリフレッシュ効果は抜群です。
実際、とある空手教室では「痛くない!怖くない!女性に優しい!」をコンセプトに、初心者女性が安心して通えるクラスを提供しています。

そのような場では青あざが残るような激しい組手は行わず、ミット打ちなどエクササイズ感覚でストレス発散できる内容になっています。
空手=怖いというイメージを払拭し、誰でも気軽にパンチ・キックで汗を流せる工夫がされているのです。会社帰りにスーツから道着に着替えて汗をかけば、一日の疲れもストレスもリセットできます。

初心者への配慮と継続のしやすさ

大人になってから空手を始める場合、誰もが不安に思うのは「ついていけるかな」「ケガしないかな」という点でしょう。
最近の道場や教室はその点非常によく配慮されています。初心者クラスを設け、基礎体力づくりからゆっくり進めてくれるところもありますし、希望者は組手(スパーリング)無しで型だけ学ぶことも可能だったりします。

「痛くない・怖くない・初心者に優しい」を掲げるクラスでは、初心者の三大不安(ケガ・体力・技についていけるか)を全て払拭してくれるそうです。
例えば防具を付けたライトスパーリングのみで顔面を殴られる心配は無い、体力に自信がなくても途中休憩OK、白帯から少しずつ昇級していける達成感も用意されている、といった具合です。

さらに空手道場の人間関係は意外とサッパリしていて、職場の延長のようなしがらみが無いのも続けやすい点です。会社とは別のコミュニティで趣味仲間ができるのは、大人にとって貴重な居場所となるでしょう。

稽古後に軽く飲み会…なんて付き合いも少なめで、各自マイペースに通っている方が多い印象です。「強くなりたい人は黒帯まで目指せるし、運動として楽しみたい人はそれもOK」という懐の深さが大人の空手にはあります。
こうした柔軟性のおかげで、自分の希望するペース・目的で続けられるのです。

  • 費用
    空手教室の月謝相場は月5,000~8,000円程度です(週1~2回程度の稽古の場合)。
    本格的な道場だと月1万円前後になる所もあります。入会金は5,000~10,000円ほど、道着代が上下セットで1万円前後かかります。
    大人の場合、防具(拳サポーター・すね当て等)は子どもよりしっかりした物を使うことも多く、セットで5,000~10,000円程度です。
    ただし初心者は最初から全て揃える必要はなく、徐々に買い足す形でOKです。
    スポーツ保険は年2,000円程度、昇級審査料は数千円、昇段審査料は1~2万円が一般的です。
    フィットネス空手系の教室だと、月謝制ではなく1回ごとの参加費(1レッスン数千円)というところもありますので、自分の目的に合わせて選びましょう。
  • 頻度
    週1回でも十分効果がありますが、運動効果を求めるなら週2回以上通うのがおすすめです。
    筋トレやヨガと同じで、空手も継続頻度が高いほど早く体力が付き技も上達します。とはいえ社会人は忙しいので、週1回しか行けない月があっても問題ありません。
    稽古に行けない日は自宅で型の練習やシャドーボクシングをする人もいます。昇級試験は流派により様々ですが、年に2~3回ほど。大会は一般の部もありますが、強制ではなく出たい人だけ出るスタンスの道場が多いです。
    40代から始めて大会デビューした方もいますが、無理に出場せず健康維持目的で続けている方もたくさんいます。
  • 安全性
    空手は直接打撃がある分、ケガのリスクもゼロではありません
    初心者のうちは突きや蹴りで拳や足を痛めることが時々あります(突きで拳が腫れる、ミットを蹴って足の甲に青あざができる等)。しかし防具の着用や指導者の管理によって大きな事故は滅多に起こりません。
    特に一般向けクラスでは相手に怪我をさせない・自分も怪我をしないことが最重視されます。スパーリングも寸止めルールで行うか、もしくは攻撃強度をかなり抑えて実施します。
    また前述のように初心者向けに「青アザや傷が残らない」「翌日会社に行っても平気」な内容で稽古する教室もあります。どうしてもフルコンタクトの激しい空手をやりたい場合は覚悟も必要ですが、そうでなければ安全に楽しめるクラスを選べば良いでしょう。
    見学や体験に行って、雰囲気や指導方針を確認することをおすすめします。空手は正しく稽古すれば事故は少ない競技ですので、あまり心配しすぎず挑戦してみてください。

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剣道 – 大人からでも始められる!爽快な汗と気合いでストレス解消

剣道は子どもの習い事のイメージが強いかもしれませんが、実は大人の初心者も意外に受け入れてくれる武道です。
竹刀を振って大きな声で気合いを発し、防具を着けて打ち込む——その一連の動作には独特の爽快感があり、ストレス発散にはもってこいです。
また剣道は生涯武道とも呼ばれ、年配になっても続けられる点でも優れています。
道場には「学生時代にやっていて再開した」方だけでなく、「社会人になってから一念発起で始めた」初心者も少なからず存在します。

短時間で高強度な有酸素運動

剣道の稽古は基本的にインターバルトレーニング的な要素があります。
構え合って機を伺い、瞬間的に全力で面を打つ——これを繰り返すため、心拍数が上がったり下がったりを繰り返す有酸素運動になるのです。
稽古時間自体は1~2時間程度ですが、その中で全身を使ったダッシュとリカバリーを繰り返すので、実はかなりの運動量になります。
剣道経験者は「見た目以上に汗をかく」と口を揃えます。特に防具を付けての地稽古(自由に打ち合う練習)は、5~10分でも息が切れるほどハードですが、終えた後の達成感と爽快感は格別です。

「運動した!」という充実感を味わいたい人には剣道は打ってつけでしょう。また、普段なかなか使わない握力や足の指先など細かい筋肉まで使うので、体全体が活性化します。
全力で竹刀を振り下ろす動作は肩こり解消にも効果的で、デスクワークの良いリセットになります。剣道は短時間で効率よく運動不足を補える武道と言えます。

ストレス解消とメンタル強化

剣道といえばやはり「気合い」の大声。
これはストレス発散効果が非常に高いです。大人になると日常生活で大声を出す機会はほぼ無いですが、剣道では「メーン!」と腹から声を出すたびにストレス物質が吹き飛ぶような感覚があります。

科学的にも大声を出す行為は自律神経を整えリラックス効果や快感ホルモンの分泌を促すと言われています。さらに、防具を着けていると周りから顔が見えない安心感もあり、思い切り自分を解放できるという声もあります。

会社で嫌なことがあっても、道場で竹刀を思い切り振って声を出せばモヤモヤがリセットされます。
また剣道は試合や昇段審査など緊張を伴う場が定期的に訪れます。大人になると緊張感のある勝負から遠ざかる人も多いですが、剣道をやっていると適度なプレッシャーを経験できます。この積み重ねがメンタルをタフにする効果をもたらします。
「剣道の試合に比べれば、仕事のプレゼンなんてどうってことない」と言う人もいるほどで、度胸が付くメリットも大人には見逃せません。
もちろん無理に試合に出る必要はありませんが、段位を取る目標を持つだけでも日々の励みになります。剣道で昇段を目指して稽古に打ち込むことで、仕事以外に打ち込めるものがある充実感も得られるでしょう

初心者でも大丈夫?

「剣道は子どもの頃からやっていないと厳しいのでは?」と思う方もいるでしょう。
確かに学生時代に経験者が多い武道ですが、社会人向けに初心者クラスを開設している道場もあります。例えば地域の市民剣道教室では大人初心者が年数名入門して基礎から学んでいます。

防具の付け方から足さばき、素振り、すべて一から教わることができます。
稽古相手も同じ初心者同士だったり、指導役のベテランが優しく受けてくれたりするので、「叩かれて痛い思いをするだけ…」なんてことはありません。
剣道は同じ道場の仲間には基本的に思いやりをもって接する文化が根付いているので、初心者いじめのようなことはほとんど無いでしょう。
逆に「よく大人で始めましたね!」と歓迎されることも多いです。装備品の準備が多少ハードルですが、最近は洗える防具や軽量竹刀など初心者向けの用具も出ており、匂いや重さの問題も改善されてきています。

さらに大人になると経済力がありますから、子ども時代には買えなかった上質な防具を揃える楽しみもあります。
最初はレンタルや譲渡品で始めて、続けられそうなら自分の防具を誂えるのもやる気が出るポイントです。
「形から入る」ことでモチベーションを上げるのも大人初心者ならではの楽しみです。

  • 費用
    剣道の費用は初期投資がやや高くつく傾向があります。
    防具一式の購入が必要になるためです。大人用防具セットはピンキリですが、新品で揃えると5~15万円程度は見ておいた方が良いでしょう。ただし中古市場も活発で、メルカリなどで状態の良い防具を探せば半額以下で揃えることも可能です。
    竹刀は1本2,000~3,000円で、消耗品なので定期的に交換します(練習頻度によりますが月1~2本程度使用)。

    月謝は子どもと同様月3,000~10,000円程度と場所によって差があります。ボランティア指導の道場なら月謝無料~数千円の会費のみという所もあります。
    入会金は5,000円前後か不要のところもあります。剣道は防具代以外のランニングコストはそれほど高くありません。防具も一度買えば長持ちします(筆者は学生時代の防具を20年経った今も使っています)。
    スポーツ保険料が年1,500円ほど、昇段審査料は段位により異なりますが初段で1万円弱、二段で1万円強と段が上がる毎に少しずつ高くなります(合格すると認定証と木札がもらえます)。
    試合に出る場合は大会参加費が1回1,000~3,000円程度かかります。
  • 頻度
    運動不足解消が目的なら週1回でも十分効果があります
    ただし技術向上や昇段を目指すなら週2回以上通う方が上達は早いです。社会人剣士の中には仕事帰りに週3~4回稽古に通う猛者もいますが、多くは週末中心に通っています。
    稽古時間は平日夜だと2時間弱、週末は午前中に2時間程度のところが多いです。試合(大会)は都道府県レベルで年に数回、社会人初心者でも出られる区民大会のようなものもあります。
    強制ではありませんが、出場するとまた稽古の目標になるので積極的に出る人もいます。
    40代で初段を取った方や、50代で大会デビューした方もおり、大人からでも徐々にステップアップできるのが剣道の奥深さです。
  • 安全性
    剣道は防具があるおかげで大怪我は比較的少ないです。
    ただしゼロではなく、代表的なリスクとしては熱中症打撲・捻挫でしょう。防具を付けて行う稽古は夏場は非常に暑く、こまめな水分補給が必須です。大人は無理をせず適宜休みながら稽古しましょう。
    打撲は竹刀が当たってできる青あざです。特に最初のうちは間合いが掴めず、腕や肩に竹刀をもらってアザになることがあります。
    しかし防具の無い場所(腕やすね等)はあまり打たれませんし、防具で覆われている部分は衝撃がかなり吸収されます。
    指を突き指したり、稀に竹刀の破片で怪我をするケースも報告されていますが、竹刀の点検や道場清掃を日頃から行っていればほとんど防げます。

    また、更衣室で防具を運ぶ際に腰を痛める…なんてこともありますので、重い防具袋を持つときは注意しましょう。
    全体として、剣道はルール上も面・小手・胴以外への攻撃は禁止されており危険度は低めです。
    むしろ運動強度が高い分、稽古後の筋肉痛や稽古中の息苦しさに最初は驚くかもしれません。でもそれも慣れです。徐々に体が順応し、気づけば防具の重さも苦にならなくなります。
    無理せず自分のペースで稽古に臨めば、大人から始めても安全に楽しめるでしょう。

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柔道 – 基礎体力の向上と実用的な護身術!汗を流して心もスッキリ

柔道は「投げの美学」を味わえるダイナミックな武道です。
全身の筋肉と瞬発力を使うため運動不足解消に効果的であり、相手を制する術は実用的な護身にもつながります。一般に柔道は子どもの頃からやっていないと厳しい印象もありますが、社会人向けの初心者柔道教室も存在し、大人から始めて黒帯を取得したケースも珍しくありません。
柔道の魅力は、体力がつく・根性がつく・受け身が身に付くこと。
まさに「身体も心も鍛えたい」という欲張りな大人におすすめの武道です。

全身運動で筋力アップ

柔道の稽古は準備体操の後、受け身の反復、打ち込み(投げの形練習)、投げ込み(連続で投げる練習)、そして乱取り(スパーリング)という流れが基本です。
受け身では体幹や背筋を使い、打ち込みでは腕力と脚力、乱取りでは全身の筋力とスタミナを総動員します。
そのため数分の乱取りで汗だくになり、短時間で効率良く筋トレ&有酸素運動ができるのが柔道の稽古です。
特に投げ技では相手を持ち上げたり崩したりするので、継続すれば自然と筋肉が付いてきます。
事実、運動不足で柔道を始めた30代男性が「半年で太ももが一回り太くなり、体脂肪率が5%落ちた」という話もあります。筋力アップと同時に柔軟性も必要なので、稽古前後のストレッチを繰り返すうちに身体が柔らかくなったという効果も期待できます。

さらに柔道には懸垂(鉄棒にぶら下がって背筋・腕を鍛える)や打ち込み千本(ひたすら投げの形を繰り返す)など、古典的ですが身体を追い込むトレーニングがあり、やり切った後の達成感は格別です。
学生時代運動部で味わったような「爽快な疲労感」をもう一度感じたい人には、柔道の汗は病みつきになるでしょう。

護身術と安心感

柔道で身につく受け身は大人にとって非常に実用的です。
受け身とは投げられた時に頭を打たずダメージを軽減する倒れ方ですが、これは日常生活の転倒事故でも効果を発揮します。

雨の日に滑って転んだとき、とっさに受け身が取れれば大怪我を防げる可能性が高いです。
40代以上になると転倒骨折のリスクも上がりますが、受け身が身についていると安心感が違います。また柔道の投げ技や関節技は護身術としても有用です。
例えば誰かに羽交い締めにされたとき、柔道で習う体捌きで逃れたり、突き飛ばされたときに相手を崩す体の使い方など、実戦で役立つ知恵が詰まっています。

実際、柔道有段者の女性が街中で不審者に腕を掴まれた際、とっさに小内刈で倒して逃げたという話もあります。
もちろん護身ではまず逃げる・大声を出すが基本ですが、「最後は投げ技で抵抗できる」という自信があると心の余裕が違います。柔道の稽古を積んでいると、体格の大きい相手にも怯えず対処できる精神的な強さも培われます。
「誰かに襲われても何とかできるかも」という安心感は、日頃の生活でも自信につながります。

忍耐力・メンタル強化

柔道の稽古は肉体的にハードですが、その分忍耐力が養われます。
乱取りで投げられても何度も立ち向かわなければならないため、「へこたれない心」が自然と身につきます。これは仕事のストレスにも負けないメンタル強化に役立ちます。

実際、40代から柔道を始めた方で「取引先で理不尽に怒られても、柔道の乱取りに比べれば大したことないと感じるようになった」という声も聞きました。柔道家は礼に始まり礼に終わる精神を叩き込まれるので、社会人としての礼節も改めて身に付きます。加えて、帯の色が上がっていく達成感や試合で一本取れたときの喜びなど、小さな成功体験が自信となり日常生活に張りが出ます。

もちろん、稽古中は投げられて痛い思いや息が上がって苦しい思いもします。しかしそれを乗り越えて稽古後に畳に寝転んだときの「今日もやり切った…!」という爽快感は他に代え難いものがあります。
苦しいことを乗り越えた先の自信や快感は、柔道だからこそ得られる醍醐味と言えるでしょう。

初心者への門戸

柔道は組技主体で初心者には難しく感じられるかもしれません。
ただ、多くの道場では初心者には基本動作や受け身からしっかり教えてくれます。
社会人向けの夜間柔道教室なども各地にあり、そこではストレッチや打ち込み中心で無理なく鍛えられるよう配慮されています。
「柔道=怖い体育会系」というイメージも今は昔で、むしろ大人初心者が健康目的で始めるケースでは安全第一・楽しくがモットーです。

さらに、柔道経験者の友人曰く「柔道やってる人って基本的に優しい人が多い」とのこと。人を投げ飛ばす技を学ぶからこそ、人一倍思いやりを持って稽古に臨む傾向があるのかもしれません。
初心者同士で投げ合うのは危ないので、だいたい先生や上級者がお相手してくれます。大人になってから畳の上を転げ回るのは最初勇気がいるかもしれませんが、一度やってみると子どもに戻ったようで楽しいですよ。

  • 費用
    柔道の月謝は道場によりますが、月5,000~8,000円程度が一般的です(週2回程度通える場合)。
    公共体育館でのサークル活動なら月数千円以下、逆に専用道場で個人指導があるような所だと1万円以上することもあります。
    入会金は5,000~10,000円ほど。柔道着(道着)は厚手で耐久性がありますが、その分価格は1万円前後します。初心者なら綿の安価な柔道着でも十分です。
  • 頻度
    柔道で効果を感じるには週1回でもOKですが、できれば週2回通うと技術習得が早まります。
    受け身は体で覚える部分が大きいので、間隔を空けず練習する方が上達します。
    社会人なら平日夜1回+土日1回など無理のない範囲で組みましょう。稽古時間は1~2時間程度。大人初心者は最初の30分でバテてしまうことも多いですが、徐々に慣れてきます。
    試合はマスターズ(年齢別大会)など、初心者でも出やすい大会が増えています。40代で初試合に挑戦する人も珍しくありません。
    昇段審査は年1~2回ほどチャンスがあり、形(演武)と試合形式で審査します。黒帯取得は社会人の目標としてやりがいがあります。
  • 安全性
    柔道は接触スポーツなので怪我のリスクはゼロではありません
    特に乱取りで無理をすると投げられた際に頭を打ったり、関節技で痛める可能性があります。ただし初心者は乱取りの前に徹底して受け身を練習しますし、乱取りも熟練者が相手をして加減してくれるはずです。

    柔道で一番多い怪我は捻挫・打撲ですが、これも準備運動不足や無理な力比べを避ければかなり減らせます。40代以上の方は柔軟不足からアキレス腱や膝を痛めないよう、入念にストレッチしましょう。

    柔道は礼に始まるため、開始前後に必ず正座するので膝が硬い人は座り方の練習も必要です。対人競技ゆえ相手のあることなので、不慮の怪我は完全には防げませんが、スポーツ保険に入っておけば安心です。

    逆に言えば、正しく受け身を身に付ければ日常生活での怪我も減らせるというメリットがあります。
    事実、柔道経験者は転んでもサッと丸まって頭を守るので、怪我をしにくいといいます。安全面では、畳のある柔道場で稽古するのが望ましいです。
    たまに体育館の硬い床で練習する所もありますが、初心者には衝撃が大きいのでおすすめしません。
    総じて、指導者の指示を守り無茶をしなければ大きな事故はまず起こらないので、安心して挑戦してください。

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少林寺拳法 – バランスよく鍛えたい大人に!実践的で哲学も深い武道

少林寺拳法は護身術を軸にした総合武道で、打撃と関節技の両方を学べます。
社会人から始める人も多く、大学の少林寺拳法部出身者が卒業後に地元で道院(道場)に入り直すケースなどもあります。特徴は、技の習得とともに自己鍛錬による人格向上を理念に掲げている点です。
そのため、単なる格闘技に留まらず精神修養や哲学的な教えにも触れられる奥深さがあります。「体も鍛えたいが精神面でも成長したい」と考える大人にはうってつけの武道でしょう。

全身まんべんなく鍛えられる

少林寺拳法の稽古メニューは多彩です。
構えの基本から突き・蹴りの反復、受け身、打撃に対する受け(ブロック)・反撃の練習、関節技の反復、形(演武)練習…と、1回の稽古で様々な動きを行います。
これにより全身の筋肉をバランスよく使うことができます。筋力だけでなく柔軟性や瞬発力も求められるので、続けていくと体つきが引き締まり、動きも俊敏になっていきます。

また、対人で技をかけ合うため協調性やタイミングも重要で、体の使い方が上手になる効果もあります。

組技では相手のバランスを崩す感覚を掴むため、重心移動や足さばきが洗練されてきます。ストレッチ的な要素も含むので、体が硬い人も徐々に柔らかくなっていくでしょう。ある中年の門下生は「少林寺拳法を始めてから肩こり腰痛が軽減した」と言っていました。全身をまんべんなく動かすので血行が良くなり、普段使わない筋もほぐれるのだと思います。
無理なくバランス良く鍛えたい大人には理にかなった稽古内容と言えます。

護身術+アルファの安心感

少林寺拳法で学ぶ技術は非常に実践的です。突きや蹴りなどの打撃はもちろん、相手の腕を極めて動けなくする関節技、後ろから襲われた場合の対処法、複数人に囲まれた場合の対処など、護身を想定したシチュエーション練習もあります。

「勝ち負けを競う競技」ではなく「いざという時に自他を守る術」を磨く面が強いので、実生活への安心感が得られるでしょう。
特に女性にとって、護身術が身についているというのは大きな自信になりますし、男性にとっても家族を守る力を身に付けられるのは心強いものです。

また、少林寺拳法は試合で勝者を決めることを目的としていないため、自分自身の技の向上に専念できるメリットもあります。
他人と比べるのではなく、正しく技ができるかどうか、きちんと決められた型を演じられるか、といった点に集中するため、精神的な負担が少なく上達に取り組めます。
それでいて演武大会など適度な発表の場は用意されているので、目標を持って練習できます。昇級昇段制度もあり、帯の色が変わっていく楽しみも得られます。
これらがモチベーション維持につながり、結果的に長く続けられるポイントになっています。

哲学的な教えと自己成長

少林寺拳法は単なるフィジカルな鍛錬だけでなく、開祖の教えにも触れる機会があります。
道場によっては稽古後に教えの一節を学ぶ時間(法話)が設けられていることもあります。「人を思いやる心」「他人の幸せを願う」といった人間として大切な心得を説く内容です。

こうした話を聞くことで自分を省みるきっかけになり、自然と人間関係や生き方について考えるようになります。
たとえば、「力は人を支配するためでなく、助けるために使え」という言葉は武道の根幹を表しています。日常生活でも、力(能力や地位)を正しく使おうという意識につながります。
このように精神修養の要素があるのは少林寺拳法ならではで、大人だからこそ噛み締められる部分かもしれません。実際、道院長など指導者の方も社会的に立派な人格者が多く、その姿勢に学ぶことで自分自身の人格向上を図れるとの声もあります。

もちろん堅苦しく考えず、さらっと聞き流す程度でも問題ありません。しかし「技だけでなく人間的にも成長したい」という意欲があれば、少林寺拳法の教えは人生の指針として役立つでしょう。

社会人初心者にも優しいコミュニティ

少林寺拳法の道場はアットホームな雰囲気のところが多いです。
少年から社会人まで一緒に練習する道院もあり、互いに「~さん」とさん付けで呼び合うなど和やかです。試合でバチバチに競い合う関係ではないので、仲間として助け合う風土があります。

仕事の合間にふらっと顔を出せる気軽さも魅力で、「今日は見取り稽古(見学)だけ」という日があっても受け入れてくれる懐があります。
社会人になると仕事や家庭の都合で稽古を休みがちになることもありますが、「また来れる時に来てくださいね」と温かく迎えてもらえるでしょう。このような寛容なコミュニティだと、途中で投げ出すことなく自分のペースで続けやすいです。

  • 頻度
    社会人門下生は週1~2回来られれば十分というスタンスが多いです。
    道院によって稽古日が決まっており、平日夜+週末など複数日開設している場合、都合の良い日に来るようになっています。無理なく長く続けるには週1ペースでもOKですが、上達したいなら週2回参加が望ましいです。

    演武大会前などは臨時練習が組まれることもあります。昇段は最短でも丸2年ほど修行が必要なので、コツコツ通うことが大切です。社会人同士で演武のペアを組んで昇段を目指すこともあり、そうした目標ができると一層稽古が楽しくなるでしょう。
  • 安全性
    少林寺拳法は直接打撃の試合が無い分、大怪我のリスクは比較的低いです。
    乱捕稽古(組手のようなもの)はありますが、お互いに約束事を決めて行うため、ボクシングのようにノーガードで殴り合うことはありません。
    攻防一体の練習でも、防具なしで行う場合は威力を抑えて互いに怪我をさせないよう注意します。とはいえ全く怪我が無いわけではなく、蹴りをミットで受けて手が痺れた、関節を極められて筋を違えた、受け身が不十分で腰を打った、などは起こり得ます。
    他の武道同様に、準備運動と基礎練習を怠らず無理のない範囲で稽古することが大事です。

    また少林寺拳法は拳で突く動作がありますが、専用の拳サポーター(グローブのようなもの)は一般的には付けません。
    最初は拳立て伏せなどで拳を鍛える必要があり、拳ダコができるかもしれませんが、これは誇りと思う人もいます。
    女性は爪を短く切る、長髪はまとめるなど基本的な安全対策は守りましょう。

    あと意外な盲点として、少林寺拳法では正座や立ちっぱなしで教えを聞く時間がある道院もあるので、膝や腰が悪い人は無理せず楽な姿勢を取るなどしましょう。
    全体として、大会も型競技中心で危険は少なく、自分のペースで安全に続けやすい武道と言えます。指導者もその点をよく理解しており、社会人には決して無理をさせません。安心して飛び込んでみてください。

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まとめ

以上、大人におすすめの武道5選をで紹介しました。
どの武道もそれぞれ魅力的で、「運動不足を解消したい」「ストレスを発散したい」「護身術を身に付けたい」「続けられる趣味が欲しい」など、自分の目的に合ったものを選ぶことがポイントです。

たとえば、激しい運動で汗をかきたいなら空手や剣道、マイペースに続けたいなら合気道、筋力アップと強いメンタルを得たいなら柔道、総合的にバランスよく鍛えたいなら少林寺拳法といった具合に検討するとよいでしょう。

大人から武道を始めるのは勇気がいるかもしれません。
しかし実際には、どの道場にも初心者からスタートした社会人が必ずいますし、武道は年齢に関係なく始められるものです。

そして、始めてみればきっと「なぜもっと早くやらなかったんだろう!」と思うほどの充実感が得られるでしょう。身体が鍛えられるのはもちろん、礼儀作法が身につき精神的にも強く優しくなれるのが武道の良さです。

実際、武道経験者には「心が安定した」「日常生活でイライラしなくなった」という人も多くいます。
これは武道を通じて自分に自信がつき、心身の健康が増進するからに他なりません。

ぜひこの記事を参考に、気になる武道があれば見学や体験に行ってみてください。
初めの一歩さえ踏み出せば、新しい世界があなたを待っています。運動不足やストレスと無縁の、充実した毎日を武道で手に入れてみませんか?

子どもにおススメの武道

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